コラム

2026/06/10 コラム

【給付額一覧表】建設アスベスト給付金はいくらもらえる?病名・症状別に解説

はじめに

建設アスベスト給付金制度の対象となる可能性があると分かったとき、次に誰もが知りたいのは、「具体的に、いくら受け取ることができるのか?」という、給付金の金額についてでしょう。

この給付金の額は、一律ではなく、アスベスト(石綿)を原因とする病気の種類や、それによってどの程度の健康被害を受けたかによって定められています。

この記事では、弁護士法人長瀬総合法律事務所が、建設アスベスト給付金の金額について、分かりやすい「給付額一覧表」を用いて詳しく解説します。ご自身やご家族が、どのくらいの給付を受けられる可能性があるのか、具体的な金額の目安をご確認ください。 

給付金の金額に関するQ&A

Q1. この表にある金額が、そのまま全額もらえるのですか?

必ずしもそうとは限りません。給付金は、短期ばく露や肺がんにおける喫煙歴がある場合に減額されることがあります。また、同一の事由について国や企業等から損害賠償金・和解金等を受け取っている場合には、その金額により調整されることがあります。

Q2. 表にある「じん肺管理区分」や「著しい呼吸機能障害」とは何ですか?

これらは、病気の重さを客観的に示すための基準です。

  • じん肺管理区分: 石綿肺(アスベストーシス)の進行度を、胸部X線写真などに基づき「管理24」に分類したものです。数字が大きいほど重い状態を示します。
  • 著しい呼吸機能障害: 肺活量の低下など、呼吸機能がどの程度損なわれているかを示す基準です。具体的な数値基準が定められています。

これらの基準に該当するかどうかは、医師の診断書や検査結果を基に判断されます。

Q3. 弁護士に頼むと、もらえる金額は変わりますか?

弁護士が請求したからといって、法律で定められた給付金の額そのものが増えるわけではありません。しかし、どの給付区分に該当するかを的確に主張・立証することで、結果的に受け取れる金額が変わってくる可能性があります。例えば、ご自身では気づかなかった呼吸機能の低下を弁護士が指摘し、検査を促した結果、より上位の給付区分で認定される、といったケースです。弁護士は、皆様が受け取るべき正当な金額を、適正に受け取れるようサポートします。

解説

建設アスベスト給付金 給付額一覧表

あなたの病名・症状が、どの区分に当てはまるかご確認ください。

疾病・症状の区分

給付金の額

1. 石綿肺管理2で、じん肺法所定の合併症のない方

550万円

2. 石綿肺管理2で、じん肺法所定の合併症のある方

700万円

3. 石綿肺管理3で、じん肺法所定の合併症のない方

800万円

4. 石綿肺管理3で、じん肺法所定の合併症のある方

950万円

5. 中皮腫、肺がん、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚、石綿肺管理4、良性石綿胸水である方
6.
上記13により死亡した方
7.
上記245により死亡した方

1,150万円
1,200
万円
1,300
万円

【追加給付金について】

給付金の支給後、症状が悪化するなどして上位の病態区分に該当するようになった場合には、既に受けた給付金額との差額を追加給付金として請求できる場合があります。死亡の有無や病態区分により、原則額は550万円から1,300万円まで区分されています。

【良性石綿胸水等の扱いについて】

良性石綿胸水は、本給付金の対象疾患であり、原則として1,150万円の区分に含まれます。一方、びまん性胸膜肥厚は「著しい呼吸機能障害を伴う」ことが対象疾患の要件となるため、症状の程度によっては石綿健康被害救済制度等の別制度も検討します。

補足対象

建設アスベスト給付金での扱い

著しい呼吸機能障害を伴わないびまん性胸膜肥厚

本給付金では「著しい呼吸機能障害を伴う」びまん性胸膜肥厚が対象です。該当しない場合は石綿健康被害救済制度等を別途検討します。

良性石綿胸水

本給付金の対象疾患であり、原則1,150万円の区分です。

短期ばく露や肺がんにおける喫煙歴、損害賠償金等の受領により減額・調整されることがあります。

給付区分を判断するポイント

ご自身がどの区分に該当するかは、医師による診断書や検査結果が基になります。

  • 石綿肺(アスベストーシス): 主に、「じん肺管理区分」がいくつに決定されているか、また、じん肺法所定の合併症の有無で給付額が分かれます。じん肺管理区分は、都道府県労働局に申請して決定を受ける必要があります。
  • びまん性胸膜肥厚: 「著しい呼吸機能障害」を伴うかどうかが給付対象・給付額の判断で重要です。呼吸機能障害の有無と程度は、スパイロメトリーなどの呼吸機能検査の数値(%肺活量など)で客観的に判断されます。
  • 肺がん: 肺がんの場合、生存中は原則として1,150万円の区分、肺がんにより死亡した場合は1,300万円の区分となります。ただし、喫煙歴や短期ばく露により減額されることがあります。

なぜ、弁護士への相談が必要なのか

給付額の決定には、専門的な医学的・法的な判断が絡んできます。

  1. 適正な給付区分の判断と主張
    弁護士は、皆様の診断書やCT画像、呼吸機能検査の結果などを精査し、法律上のどの給付区分に該当するのかを的確に判断します。そして、認定機関に対し、その区分で認定されるべきであると、医学的・法的根拠に基づいて説得的に主張します。
  2. 複雑な「減額・調整」の確認
    給付金は、短期ばく露や肺がんにおける喫煙歴により減額されることがあります。また、同一の事由について国や企業等から損害賠償金・和解金等を受け取っている場合には、その金額により調整されることがあります。弁護士にご依頼いただければ、これらを踏まえた受取見込額を具体的に検討できます。
  3. より上位の区分を目指すための活動
    現在の診断内容では下位の区分にしか該当しない場合でも、より詳細な検査を受けることで、呼吸機能の低下などが明らかになり、上位の区分で認定される可能性があります。弁護士は、そのような可能性を見出し、必要な検査についてアドバイスすることもあります。

まとめ

建設アスベスト給付金の金額は、あなたの被害の重さを金銭的に評価した重要なものです。

  • 給付金額は、病名と症状の重さによって、550万円から最大1,300万円まで細かく定められています。
  • ご自身がどの区分に該当するかは、「じん肺管理区分」や「呼吸機能障害の程度」といった、客観的な医学的基準で判断されます。
  • 短期ばく露、肺がんにおける喫煙歴、損害賠償金・和解金等の受領がある場合には「減額・調整」が行われることがあるため、表の金額がそのまま手取り額になるとは限りません。
  • 適正な区分の認定を受け、正確な受取額を知るためには、専門家である弁護士のサポートが有効です。

ご自身の正当な権利を、満額で実現するために。まずは、あなたのケースではいくら受け取れる可能性があるのか、私たちにご相談ください。


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